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こんにちは!
先日お伝えしたBitZenyとYentenへの51%攻撃ですが、その後両者の明暗がはっきり分かれる形で事態は終着した模様です。
Yentenは不正なブロックチェーンが既成事実化し、あまりにも大きい被害によって信用も価値も完全に崩壊してしまいました。
一方でBitZenyはコミュニティの対応によって51%攻撃を排除し正当なチェーンに回帰することに成功したようです。一時的に約2千万ZNYが不正に増殖されていたものの、Yentenと比べると攻撃の規模も小さく、被害は最小限に留まったと言えるでしょう。
運営とコミュニティーによる迅速な対応が功を奏した形ですね。
MANGACOINにも51%攻撃
そんな中、同じく国産PoW通貨であるMANGACOINも51%攻撃の被害を受けたようです。11月14日、MANGACOIN公式Discord上で運営チームから下記のような一連のアナウンスが行われました。
2重支払不具合を狙った攻撃が他通貨で散見されています! 現在0.15.2.6をお使いでない方はwallet.datをバックアップの上、アップデート(差し替え)をお願いします! (11/14 19:09)
事態の早期収束のため、皆さんのご協力が必要です。 GPUをお持ちの方は公式poolでのマイニングのご協力をお願いします。(11/14 23:28)
その後、公式による追加アナウンスは無く、コミュニティーも平穏を取り戻していることから、こちらも攻撃の排除に成功したようです。
被害相次ぐPoW通貨。PoS通貨は安全なの?
PoW通貨と51%攻撃
51%攻撃の被害にあっている通貨はPoW(proof of work)というコンセンサス・アルゴリズムを採用している点が共通しています。
PoWとは、ブロックチェーンを支える取引検証作業に協力する人たち(マイナー)が高い計算力を持つマシンを用いて検証作業を競い合い、一番最初にそのブロックを検証できた人に報酬(マイニング報酬)が支払われるという仕組みです。他の参加者もそのブロックを正しいと認めれば、そのブロックをもとに次のブロックを検証して、チェーンのようにつなげていきます。こうしてできたチェーンのうち、一番長いチェーンが正当なチェーンと看做されます。
仮に誰かが不正なブロックを作り上げたとしても、他の参加者もそのブロックを正しいと認めなければ次のブロックがつながっていかず、正当なチェーンになれないのです。
この仕組みによって、非中央集権的に「みんなで」ブロックの正当性を担保する仮想通貨が誕生したわけですが、欠点もあります。それが51%攻撃です。
悪意を持った参加者が全体の計算力の51%以上を占めることができれば、不正なブロックを作ったうえで、そのチェーンを数の論理で無理やり伸ばしていくことができてしまうのです。
PoS通貨と51%攻撃
では、51%攻撃に強いと言われ、SanDeGoも採用しているPoS(proof of stake)というコンセンサス・アルゴリズムではどうでしょうか。
PoSは、検証作業の発言権がマシンの計算力ではなくその通貨の保有量によって決まるという点がPoWと異なりますが、みんなで正当なブロックチェーンをつなげていく仕組み自体は同じです。
そのため、理屈上はPoS通貨に対しても51%攻撃は可能だと言われています。
ではなぜPoSが51%攻撃に強いと言われているのかというと、攻撃を仕掛けるためにその通貨を51%以上保有する必要があるからです。攻撃によって不当な利益を得ようとする人にとっては、攻撃によって得られる利益が攻撃のコストを上回らなければ、リスクを犯してまで攻撃を行う意味がありません。
例えその通貨を51%以上購入して不正に増殖させたとしても、短期間に総発行量の半分を超えるような売り捌きを行ってしまっては相場は暴落して利益を得られません。そもそも、普通はそれだけの買い板自体ないでしょうから、売ろうにも捌ききれないかもしれません。
かといって、こっそりじっくり時間をかけて売ることもできません。51%攻撃が発覚すれば相場はおのずと下落してしまうからです。
結果、PoS通貨に対する51%攻撃は「赤字」になってしまうのです。
(次ページに続く…「51%攻撃は犯罪なのか?」)
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KT情報ポータル運営事務局 代表・アルファ情報ポータル編集長
2018年初頭に仮想通貨と出会い、同年4月に国産コインSanDeGoの立ち上げに遭遇。以降、仮想通貨を取り巻く熱狂とバブル崩壊を目の当たりにし、「コインで持続的な楽しさを提供すること」を軸に国産コインの普及活動に邁進。SanDeGo情報ポータル、アルファフォーセット、AlphaAdService、アルファDiscord等のサービスを運営。