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現金10万円給付について ~オンライン申請はどうやる?~
コロナウィルス感染症に対する緊急経済対策として現金10万円を一律で支給する「特別定額給付金(仮)」を実施するための補正予算案が27日、国会に提出される。
与野党はゴールデンウィークの祝日も含めて30日まで審議した上で採決することで合意しており、補正予算案は30日の成立する見通しだ。
そうなってくると気になってくるのが、現金10万円の受取方法だ。
総務省では早速、給付金の概要と「よくある質問」をホームページ上に掲載しているので、正確な一次情報を得たい方はこちらを参照されるといいだろう。
本稿では総務省の情報をかいつまんでご紹介するとともに、実際にオンライン申請に使われるマイナンバーのサイト「マイナポータル」へのログインまでを実際にやってみたいと思う。
現金10万円支給の目的
さて、 「特別定額給付金(仮)」 の概要であるが、まず大事なのはその目的だ。
全文は前述のサイトでご確認頂きたいが、要約すると「緊急事態宣言下、外出自粛や人との接触を削減するなど、人々が一致団結して国難を克服するための家計支援」ということだ。
広く家計支援という目的であるので、その具体的な使い方は受給者の裁量に委ねられている。簡単な言葉で言うなら、生活の足しになるなら何に使ってもいいよ、ということだ。
日々の生活費に補填してもよいだろう。ローンの返済や、税金の支払いに充てるのも良いだろう。このストレス過多な自粛下で、何か趣味や娯楽に投じるのも悪いことではない。あるいはコロナ禍の長期化に備えて貯蓄するのも良いし、誰かのために寄付するのももちろんアリだ。
10万円は〇〇に使わなければならないという言説も聞かれるが、多くの場合ただのポジショントークに過ぎないと考えてよいだろう。いずれにせよ、セーフティーネットとしての色合いが強かった当初の30万円給付とは性格が異なる給付金となったということは押さえておきたい。
受給には世帯主から申請が必要
目的が分かったところで次は誰にどうやって支給されるかだが、「誰に」は非常にシンプルだ。
- 給付対象者は令和2年4月27日において住民基本台帳に記録されている者
- 受給権者はその者の属する世帯の世帯主
まず、給付対象者については住民票があれば住民基本台帳には記録されているので、日本国内に正しい手順を踏んで居住している人であれば全員含まれると考えてよいだろう。(例外ケースについては本稿では割愛する)
続いて受給権者であるが、これは実際にお金を受け取る人を指しており、世帯主とされている。
なぜ、本人ではなく世帯主なのかという点は多くの批判を集めているが、恐らく行政の負担を軽減するためなのだろう。日本の人口が1億2千万人以上なのに対し、世帯数は約5000万世帯であるから、受給権者を世帯主に限定することで申請や振込の処理を半分以下に減らすことができる。行政の側にとっては魅力的なのだろう。
一方で、5000万世帯の全ての世帯主が健全な人物とは限らない。世帯主に届いた給付金が本人にきちんと届かないケースも懸念されている。いわゆる「DV避難問題」はその一例だ。
これについても総務省が方針を示しているので、関心のある方は先述のサイトをご確認頂きたい。
続いて、「どうやって支給されるか」だが、これには振込先銀行口座等の申請が必要だ。
政府や自治体は当然のことながら国民一人一人の「今現在受け取ることができる銀行口座」など把握していない。財務大臣の「手をあげた人に支給」発言には一部から批判の声が挙がったが、言い方はともかく、支給に申請が必要なのは必然といえる。
その申請方法は2つある。
- 郵送申請方式
- オンライン申請方式(マイナンバーカード所持者のみ)
である。
郵送申請方式は、各市区町村から世帯主宛に郵送された申請書類を返送する方式だ。本人確認書類の写しと、振込先口座を確認できる書類(通帳やキャッシュカードの写し)を添付する必要がある。
申請を受ける役所としては「申請が本人からのものであること」の確認と「口座が本当に本人のものであること」の確認は最低限必ず実施する必要があろうから、その観点で上記は必要最小限な書類と思われる。
一方で、申請書が手元に届くまでの時間と申請書が役所に戻るまでの時間はどうしてもかかることになる。もちろん、役所の職員が手作業で申請書を確認する時間もだ。
オンライン申請方式は、そうした所要時間をかなり節約できる方式といえる。現時点では概要しかわからないが、少なくとも総務省の記載を読む限りでは、市区町村からの郵送が届くのを待つ必要すらなく、世帯主がマイナンバーカードを所持していれば、オンライン(おそらくマイナポータル)上で口座番号等を申請するだけで完結する模様だ。
どうしてオンラインで申請できるのか
本人確認書類や口座証明書類もなしに、どうやって申請の正当性を確認するのだろうか。
実はマイナンバーカードを持っている人は、そのマイナンバーカードに「利用者証明用電子証明書」という機能がついている。
その人がマイナンバーカードを物理的に所持していること、そして本人しか知らない暗証番号を入力できるということを組み合わせて、電子的に本人確認ができるというものだが、今回のオンライン申請にはまさにこの機能を活用するのだ。
また、口座証明については現時点で詳しい記述が見当たらないが、これもマイナンバーが活用されることで証明書類が不要になる可能性がある。現在、基本的に銀行口座はマイナンバーと紐づけがされている為、証明書など添付しなくとも申請された口座が本人のものであるかどうかはわかるはずであるからだ。
(但し、銀行へのマイナンバーの届出をしていない人もいるはずであるから、もしかすると証明書の画像添付等が必要になるかもしれない。このあたりは続報を待ちたい。)
オンライン申請サイト 既にログインできる!
特別定額給付金のオンライン申請は、「マイナポータル」というサイトから行える予定だ。
この「マイナポータル」だが、マイナンバーカードを持っている人であれば今でもログインできる。
そもそも「マイナポータル」とは何か、どのようにログインするかという説明については、政府の広報マスコット「マイナちゃん」に聞いてみるのが一番なので、こちらの動画を参照にして欲しい。
動画を見てお分かりになった方も多いと思うが、マイナポータルは今後の大きな可能性を秘めている一方で、現在活用できる機能は極めて限られている。確定申告をe-Taxで電子申請している人などを除けば、今までマイナポータルにログインしたことが無くても当然だ。
しかし現金支給の申請に使えるとなれば、今から備えておいて損はない。マイナンバーカードを持っている人はぜひ、ログインできる状態まで準備しておくことをお勧めしたい。
マイナポータルの利用はかんたん!
ログイン手順の説明は、マイナポータルの説明ページが一番わかりやすい。シンプルすぎて、これ以上の説明は不要だと思うが、一応本稿でも流れだけご紹介したい。
必要なものはマイナンバーカードと、パソコンまたはスマホ、ICカードリーダライタ、この3つだけだ。
ICカードリーダライタと聞いて、そんなもの家にないよ!と思ったかもしれないが、安心して欲しい。専用のICカードリーダが無くとも、Ferica(NFC)搭載のスマートフォンがあれば大丈夫だ。おサイフケータイなどに使う、タッチするだけのあの機能と言えばわかりやすいかもしれない。これなら、持っている人も多いのではないだろうか。
もちろん、USB接続のICカードリーダライタも手ごろな値段で入手できる。今回の申請の為だけに購入するのはやりすぎかもしれないが、仮想通貨取引を本気で実施している方なら確定申告にも使えるので検討してみてはいかがだろうか。
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必要なものが揃ったら、続いてブラウザに拡張機能をインストールする。
Chrome用やEdge用、Firefox用など、ブラウザ毎にちゃんと用意されている。
あとは、マイナンバーカードをICカードリーダライタにセットして、ログイン作業を行うだけだ。
インターネットの活用に慣れている人であれば、特に仮想通貨ユーザーのような層であれば何ら拒否反応を示すことなどない、ありふれた手順でログインは完了する。
あとは、マイナポータル上で自分の税務情報を確認してみたり、年金ネットとリンクして老後の年金支給額を確認してしかめっ面をしてみたりと、不要不急な操作でマイナポータルを体験してみることをお勧めしたい。
国民誰もがオンラインで公的に本人確認ができるようになるということの潜在的な可能性の大きさと、それがあまり活用できていない現状の残念さ加減が体感できることだろう。
進まぬ普及 だからこそ先行者は有利?
さて、本稿では特別定額給付金の概要とそのオンライン申請の準備についてご紹介してきた。
仮想通貨というIT系のテーマを取扱う当サイトとして、あくまでもオンライン申請に軸足を置いて解説したが、残念ながら昨年末時点のマイナンバーカード普及率はわずか15%に過ぎない。
国民なら乳幼児も含めて誰もが取得できるカードであり、また社会に浸透すればかなり世の中を効率化させる潜在力を秘めているのだが、現時点では活用できるシーンが少ないためなかなか普及しない。
年金手帳のように初めから全員に配布すれば話は早いのであるが、なかなかそうはいかないのがこの国だ。いろいろな考え方、価値観の人がおり、それらを全て尊重している結果なのかもしれない。
ともあれ、既にマイナンバーカードを所持している人であれば、少なくとも今回の給付申請においてはかなり先行できそうだ。15%のマイナンバーカード所持者のうち、更にオンラインで申請する人(できる人)は限られるであろう。
マイナポータルにログインできるというだけで、おそらく先着1割以内の順番で申請することも可能というわけだ。今まさに生活に困っている状況の人からすれば、少しでも早く申請することが早い受給に繋がるはずだ。
技術も制度もただそこにあるだけでは役に立たない。活用するかどうかは、あなた次第だ。
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KT情報ポータル運営事務局 代表・アルファ情報ポータル編集長
2018年初頭に仮想通貨と出会い、同年4月に国産コインSanDeGoの立ち上げに遭遇。以降、仮想通貨を取り巻く熱狂とバブル崩壊を目の当たりにし、「コインで持続的な楽しさを提供すること」を軸に国産コインの普及活動に邁進。SanDeGo情報ポータル、アルファフォーセット、AlphaAdService、アルファDiscord等のサービスを運営。