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NANJCOINが再始動? 公式Twitter活動再開、Discordも新設

国産コインのNANJCOINが、活動を再始動している模様です。
2020年8月以降、沈黙を続けていたNANJCOINの公式Twitterが5月4日に更新。「restart」と一言だけ書かれたそのツイートに注目が集まっていましたが、18日にはNANJCOINの再始動とDiscordコミュニティ新設のお知らせが発表されました。

NANJCOINとはいったい何なのか。なにを目指し、そしてどのようにして頓挫してしまったのか。簡単にまとめてみたいと思います。

NANJCOINとは

NANJCOINは、2018年1月に大手掲示板サイト5ちゃんねるのなんでも実況Jのスレッドから誕生した国産コインで、erc20準拠のいわゆるイーサリアムトークンです。

同年3月に海外取引所CoinExchange.ioへ上場された際は1satoshiで販売された運営売り出し分がわずか半日で売り切れとなり、 その後も急速に伸び続けて60倍以上の大暴騰をみせたことで国内の草コイン界隈を震撼させました。

ICOを行うことなく多額の資金調達に成功し、しかもその後も価格が暴騰するというこの事件のインパクトはあまりにも大きく、その後は「1sat上場」と呼ばれるスタイルとして確立してしまったほど。

この「1sat上場」によって国産コインが数多く誕生するという一大ムーブメントを巻き起こしたことは国産コイン界隈では有名な話ですね。

その後NANJCOINは日本国内で法人を設立します。ブロックチェーンを用いたNANJ経済圏を構築し、スポーツに関わる人たちがより潤うように、スポーツをより楽しめるようにする目標を掲げた一大プロジェクトが走り出したのです。

実際に、色々なサービスへのNANJCOIN導入が進むようにSDK(Software Development Kit)の開発行われた他、トークンそのものもHitBTCやMIDEXなどに相次いで上場するなど、NANJの活動の幅は急速に広がっていきました。

BitCashとのコラボレーションによるeSportsへの応援企画を実施や、eSprorts選手への投げ銭イベントなども開催されています。

しかしその一方では、BTCを中心とした仮想通貨バブルの終焉によって仮想通貨そのものへの投機熱が急速に冷めはじめるという逆風にも晒され、NANJCOINの価格は低迷の一途をたどります。

更には国内の仮想通貨法制の強化も相まって、2019年8月には代表取締役の辞任と法人の休眠が発表されます。国内取引所への上場やNANJCOIN決済でのスポーツチケット販売の開始といったマイルストーンはついに達成されることはありませんでした。

また、その後も稼働を継続していたNANJ公式ウォレットについても、2020年8月に長期メンテナンス実施のアナウンスを最後に、現在(2021年5月27日)に至るまで利用できない状態のままとなっています。

NANJCOINはSCAMだったのか?

Twitter上の色々な投稿から言葉を借りるならば、「NANJCOINはSCAMだった(詐欺だった)」という意見も散見されます。曰く、当初掲げた大きな目標が達成されないまま終了している点や、価格の下落によって大勢が損失を被っている点が挙げられているケースが多いようです。

しかし筆者が見る限りでは厳密に法的な意味での「詐欺」を追求する内容というよりも、どちらかというと怒りや失望の感情によって飛び出た言葉が多いようにも見えます。

一時は国産コインの中でトップクラスで成功し、活況に満ちていたNANJCOINコミュニティ。現在の状況は、そこに集まっていた人々の期待の大きさと、そしてその後に訪れた失望の深さを物語っているといえるかもしれません。

新NANJCOIN運営の前途は多難か

さて、今回活動再開が発表された新NANJCOIN運営についての話に戻りましょう。

新NANJCOIN運営では、NANJウォレットメンテナンス前にNANJを避難できなかったユーザーを対象に返還申請の受付を行っています。もう帰ってこないとも思われていた残高の返金対応が始まったことで、ユーザーからはさぞ歓迎されているのではないかと思いきや…

どうやら必ずしもそうではない模様です。

申請フォームの内容に本人確認書類電話番号、そしてNANJウォレットアドレスウォレットのスクリーンショットという項目が並んでいるのですが、どうやらこれらが多くのユーザーから反感を買っているようなのです。

冷静に考えるならば、資金の請求を行う以上は本人確認や連絡先の記載は必須でしょうから、このあたりは社会通念上やむを得ない項目であるように感じます。(個人情報をむやみに晒したくないという感情ももちろん理解はできますが)

一方で、NANJウォレットアドレスウォレットのスクリーンショットについては、なるほどたしかにと頷かざるを得ないように思います。フォームに申請したくても、ウォレットを起動できない状態ではアドレスを確認したりスクリーンショットを撮ることもかなわない状況に陥っているユーザーが多く存在するようなのです。

運営側はウォレットを起動できない場合は送金履歴などのエビデンス提示で代替可能としていますが、主な送金先であったCoinExchangeも閉鎖されてしまった今となっては、それすらも適わない人は少なくないことでしょう。

もちろん、資金の返還をするためにはアカウントの特定と本人証明が不可欠という運営側の立場もわかります。このような難しい状況に陥ってしまう前に、NANJウォレットの再稼働が一時的あるいは機能限定であったとしても実現できればよかったのですが… それができないほどにNANJウォレットは再起不能な状態ということなのかもしれませんね。

なお今回NANJCOINの公式Discordが新設されましたが、公式サイト等はまだ未公開となっています。新しいNANJCOIN運営の体制がいったいどのようなものなのか、活動の方針も含めて多くの部分がまだ不透明なままです。

今後、NANJCOINは山積する課題を乗り越えてかつてのように勢いを取り戻すことができるのか。事態が良い方向に進むことを願いつつ、今後の展開に注目していきたいと思います。

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By Katsuo

KT情報ポータル運営事務局 代表・アルファ情報ポータル編集長 2018年初頭に仮想通貨と出会い、同年4月に国産コインSanDeGoの立ち上げに遭遇。以降、仮想通貨を取り巻く熱狂とバブル崩壊を目の当たりにし、「コインで持続的な楽しさを提供すること」を軸に国産コインの普及活動に邁進。SanDeGo情報ポータル、アルファフォーセット、AlphaAdService、アルファDiscord等のサービスを運営。